- Good Quality -
2017年ヴィンテージの2次発酵スタイルからは一転、1次発酵中にタンクを密閉して泡を閉じ込める、シャルマ方式を採用した新たなスパークリングワインとなっています。発酵温度は13度、約6ヶ月間澱と共に熟成させています。
2018年のセパージュは、レジェント55%、レンベルガー17%、バッカス15%、ツヴァイゲルト13%。いずれも余市町登町にあるキャメルファームの畑で栽培されています。
エクストラ・ドライよりもやや濃く、全体的に少し黄色味がかった色調で、基本的には同質の世界観ではあるものの、フレッシュさはそのままに、よりボディに充実感と複雑味が感じられる傾向にあります。ヴィンテージが1年違うことが影響しているのか、それともそれ以外の要因なのか、同じシャルマ方式でも、瓶内2次発酵を行ったスパークリングに半歩寄り添ったような折衷スタイルになっているのが印象的です。
エクストラ・ドライに感じた優しい甘みは感じられず、ブリュットらしい程よいキレがあり、相対的にかなりしっかりとした酸が残っていることもあってか、シャープで引き締まった輪郭を持っています。泡の質には適度な丸みが感じられますが、ガス感自体はやや強めでしっかりした傾向にあり、エクストラ・ドライと同じように、時間をかけてじっくり飲み進めると、徐々に奥底にある仄かな甘みの方に焦点が移る傾向にあります。基本的に、冷涼産地らしいクリーンに引き締まった姿が心地よいので、ワインクーラーを使用して一定の温度をしっかりキープした方が無難かもしれません。また、ピンポイントで料理に合わせるペアリング向けの印象が強かったエクストラ・ドライとはやや異なり、今回のブリュットであれば食事を通して1本だけでも楽しめそうな雰囲気があります。
(2021/06)