- Good Quality -
2021年3月12日に発売されたキャメルファームの新商品がこの「レガミ エクストラ・ドライ」。現代のスパークリングワインとしては最も一般的な「ブリュット」よりも、一段階甘口に仕上がっているのがこの「エクストラ・ドライ」で、シャルマ方式で造られるレガミのラインの中では、最も甘めな立ち位置となっています(表記は「やや辛口」)。
2019年のセパージュは、レジェント58%、ブラウフレンキッシュ15%、バッカス11%、ケルナー7%、ツヴァイゲルト5%、ピノ・ノワール4%。いずれも余市町登町にあるキャメルファームの畑で栽培されています。
仄かに黄色がかっていますが、全体的には甲州を彷彿とさせるような無色透明に近いニュートラルな色調で、非常にクリーンかつフレッシュな口当たりに仕上がっています。当初のイメージだと、一般層向けの飲みやすさを重視したような、口当たりの良さを強調した甘めな仕上がりかと思っていたのですが、実際には想像以上にキレの良いドライな表情で、冷涼気候で造られたことがわかるスッキリした良質な泡と言った印象を受けます。白い花や果実のニュアンスがベースにあるものの、その表情にはモザイク状とも言える一定の複雑さがあり、多様な品種をブレンドしていることが功を奏しているような印象を受けます。シンプルにスッキリ纏まっているのに決して端的すぎることはなく、同時に表層的な甘さだけに頼ったような小手先のスタイルでもないので、思った以上に満足感が得られる印象でもあります。
冷涼感によるスッキリとしたスタイルではあるものの、それでもやはりエクストラ・ドライらしい仄かな甘みは時間とともにより鮮明になっていくので、食事に合わせてじっくり1本を飲むようなシチュエーションだと、最後の方ではやや甘みが勝ち気味になってしまうかもしれません。個人的には、一つの料理にピンポイントで合わせるペアリングの方が、よりこのワインの良さを引き出せるような印象を受けます。
(2021/06)