- Very Good Quality -
アディ・バーデンホーストと従兄弟のハインが2008年に共同で設立。葡萄畑は灌漑なしのブッシュヴァイン。平均樹齢は50年にも及ぶ古木で、有機的な手法で栽培されています。2017年のホワイト・ブレンドのセパージュは、シュナン・ブラン32%、ルーサンヌ19%、グルナッシュ・ブラン12%、ヴェルデーリョ12%、ヴィオニエ8%、グルナッシュ・グリ7%、グルナッシュ6%、クレレット・ブランシュ4%。全房圧搾後に自生酵母で発酵。収穫時期に合わせた品種毎の混醸を行い、最終的にそれぞれをブレンドして仕上げています。
第一印象は、ローヌの上質なコンドリューを彷彿とさせる世界観で、アタックの強い甘味から始まり、そこから一気にボディを引き締める、鉱物的なミネラルとヒリヒリする辛味が印象的です。14%という高アルコールではあるものの、全体的なバランスの良さと、各要素が全方位で充実して互いを補完し合っていることもあり、結果として高いアルコール感はそれほど気にならない傾向にあります。ある意味、濃密な果実の甘味と、それに負けないだけの厳格要素を高いレベルでバランスさせるという方向性は、レッド・ブレンドと全く同じなので、一口飲むだけでもバーデンホーストの造り手としてのスタイルや世界観が明確に伝わってくると思います。
翌日に持ち越すと、果実の甘みの豊満さがより明確になり、徐々にトロピカルな要素が表出する傾向にあるので、どことなくカリフォルニアのヴィオニエのような印象も受けますが、それでも後味にかけて全体を強く引き締める性質は残っているので、バックヴィンテージのレッド・ブレンドとは異なり終始バランス面も良好です。熟成するポテンシャルは非常に高い印象ですが、それでもエネルギーに満ち溢れ受け止めきれないぐらいの状態の方が、より高い満足感が得られそうな印象でもあるので、基本的には若いうちに飲んでしまっても特に問題はないと思います。
(2021/04)