- Good Quality -
ジュヴレ・シャンベルタンを代表する、象徴的存在のプルミエ・クリュでもある「クロ・サン・ジャック」に隣接するクリマの「ラヴォー」から造られています。
直前に試飲したフレデリック・エスモナンの村名ジュヴレ・シャンベルタンほどではないものの、それでも同質の強めの苦味が感じられ、表層にあるドライな収斂感や硬さ、そして細身ながらも堅牢な骨格と、一見すると飲み手との距離を誘発する要素を兼ね備えていますが、実際には体躯内部に丸く柔らかい果実味を持っていることもあって、全体としては口当たりの良さと適度な親近感をバランスよく構築している印象です。この辺りの手綱捌きは、ある意味マニャンらしいマジョリティを意識したスタイルだとも言えそうですが、口当たりの良い丸い果実味を裏で支える酸の存在も大きく、思いの外ポテンシャル要素は高そうな印象でもあります。ただ、時間を与えるほど本質的な厳格さが増す傾向にあったので、個人的には抜栓直後の親近感ある姿の方をより尊重したいところではあります。
(2020/04)