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コアにある果実は熟度が高く、タンニンも豊富でしっかりとした酒質ではありますが、全体的には非常に落ち着いた傾向にあり、各要素のバランスも良好で、綺麗で良質なバルバレスコ像が素直に飲み手に伝わってきます。確かに一定の熟成感はあるものの、同年のブリック・バリンのような際立った退廃感はなく、今飲んで過不足なく楽しめる世界観となっています。
純粋な果実の持つ表情はモッカガッタらしいモダンなスタイルですが、仕立てとしてはやや古風な資質が見え隠れしています。とは言え、ブリック・バリンのような突出したタンニンは感じられず、程よく落ち着きこなれたタンニンが、ミディアムボディ寄りのエレガントな方向としてパッケージングされているので、受ける印象としては総じてポジティブな傾向にあります(凝縮していてアルコールも高いので飲み手は体力が必要ですが)。ブリック・バリンと比較すると、同ヴィンテージのクリュ違いとは思えないほど、全く世界観が異なっているのが気になるところではありますが(もしかするとブリック・バリンはイレギュラーボトルだったのかも?)、この内容であれば、バサリンについては素直にお薦めできそうです。
ちなみに、今回の2011年ヴィンテージは、2015年のヴェロネッリで青星3つとなる「スーペルトレステッレ」を獲得しています。
(2019/12)