- Good Quality -
全体的な方向性としては、直前に試飲したデエサ・ラ・グランハと同軸上にあり、アレハンドロ・フェルナンデスらしい世界観が明確に構築されています。相対的に各要素の充実感があり、表情もハッキリしていて葡萄そのもののエネルギーやポテンシャルも一段上といった印象を受けます。
複雑味が感じられ、程よいハーブ風味にクリーム系の資質(デエサ・ラ・グランハのようなミルク感はない)、そしてしっかりとしたタンニンと酸が全体をグッと纏め引き締めています。その凝縮感や複雑味に反して、重量感のあるようなスタイルではなく、程よく落ち着いた軽快さは従来通りですが、デエサ・ラ・グランハ程は軽くなく、それでいて適度なボリューム感があるので、トータルとしてはより好印象な傾向にあります。
根本的に人の存在ありきなスタイルで、言うなれば、厳選素材を生かしたような料理ではなく、料理人の技術を存分に駆使した創作地元料理といった印象でもありますが、それでも抜栓翌日、さらに3日目と、時間の経過とともに落ち着いていき、その本質が多少は見えてくる傾向にあるので、総合的には素直に価格に応じた内容だと言えそうです。
(2019/04)