- Good Quality -
パッソピッシャーロにある古くからの葡萄畑で、2004年に購入したこの畑は、標高が600〜700mの間にあり、そのほとんどの葡萄は未だに自根で植えられています。
スタンダードのエトナ・ロッソにも相通じるグラーチらしいクリア&クリーンな基礎構成はそのままに、内部に収めるコアの緻密さをより一段アップさせたような世界観になっています。表層は似た傾向にあるものの、その微細な資質とハーブの表情が織りなす魅力は、この畑の持つポテンシャルをより一層際立たせている印象でもあります。抜栓直後はやや端的ですが、時間とともに大きな広がりを見せ、翌日に持ち越せば完全に一段上の世界観へと昇華してくれます。そのポテンシャルは思いの外高そうなので、もう少し熟成させてみても面白いかもしれません。
どことなくバローロらしさを感じた通常のエトナ・ロッソに対し、このアルクリアは個としての存在感がより鮮明なこともあって、どちらかというとブルゴーニュのピノ・ノワールにより近い印象を受けます。とはいえ、あくまでもグラーチとしての基本スタイルの延長線上に存在するので、スタンダードクラスの倍以上もする価格を考慮すると、一般層にはややお薦めしにくい印象なのも事実です。基本的には、グラーチという造り手やエトナという土地、さらにはパッソピッシャーロ近郊のテロワールをより深く掘り下げてみたい人向けと言えるかもしれません。
(2019/02)