- Good Quality -
同じ若手生産者でも、ジローラモ・ルッソのような果実味主体のスタイルとはやや異なり、熟した豊かなタンニンと重層的なボディが印象的で、しっかりとした酸とハーブのニュアンスが緻密で土っぽい資質と相まって見事な世界観を構築しています。抜栓日はややニュートラルな指向性で展開していきますが、翌日に持ち越すとコアにある本来の果実の魅力が感じられるようになり、当初の想像を超えるポテンシャルを垣間見せてくれます(優れたサービスとマリアージュがあれば数倍の価格帯のワインにも匹敵)。
どことなく優れたバローロに共通するような雰囲気もありますが、全体像としては滑らかで優しくエレガントな佇まいを基調としているので、エトナという土地とネレット・マスカレーゼという品種の持つ独自の個性(黒系ボディと赤系果実による優れた構成力)を遺憾無く堪能することができます。スタンダードクラスでこれだけのクオリティを発揮してくれるのであれば、上のクラスへの良い架け橋になると同時に、かなり有用性の高い存在になってくれそうな印象です。
(2018/06)