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モルドバのワインというだけでも珍しい存在ですが、それに加えて「カベルネ・ソーヴィニヨンで造られるロゼのアイス・ワイン」という、聞いたこともないようなスタンスの極甘口ワインとなっています。
色調はややアンバーがかったしっかりとした色調のロゼで、透明感のある綺麗な見た目となっています。濃縮した香りと果実味にインパクトがあり、梅、紫蘇、昆布などのニュアンスに、どことなくリコルマにも相通じるような甘旨味や仄かなヨード感が広がります。数値的な残糖は180g/lですが、全体を引き締めるバランスの取れた酸と、スティルのカベルネ・ソーヴィニヨンにも共通するクリーンかつクリアな表情のおかげで、終始心地よい飲み口と程よい後味のキレを作り出してくれているので、極甘口というカテゴリでありながらも、意外と食中酒としても楽しめてしまう世界観なのが印象的です。
その造りからして、どうしてもアイスワインは高価になってしまう傾向にありますが、アスコニの場合は現実的な価格帯をキープしてくれているので比較的手が出しやすく、高いコストパフォーマンスを発揮しながらも他にはない独自の個性を発揮してくれるので、その存在そのものに高い価値を感じます。
(2019/02)