- Recommended -
基本的な指向性や世界観は同年のペルカルロに準拠している傾向にあり、梅を感じる甘酸っぱい表情がベースとなっています。ただし、リコルマの方がボディの豊かさや充足感など、全体的なボリューム感に秀でる傾向にあり、ふわりとしながらも厚みを感じる絨毯のような質感に、細かく解けた微細なタンニンやハーブ風味など、既に一定の飲み頃状態に到達して入る印象です(それでも将来的なポテンシャルは十分高い)。表層には多少軋みが感じられるものの、充実した果実の魅力ある表情が広がるので、無理なく飲み進めることができます。
多くの人が素直に楽しめる「美味しいワイン」として仕上がっていますが、その凝縮感や、決して重くなりすぎない立ち振る舞い、良好な各要素の充実感と安定したバランス感など、予想を超えて不思議なほどに纏まっていることもあり、結果として技術的指向性をより強く感じる傾向にあります。概ね良好ではあるものの、やや端的な印象を受けるので、飲んだ後も長く記憶に残るようなタイプとは少し異なる世界観かもしれません。
(2018/01)