- Good Quality -
11ヴィンテージぶりとなるレ・クレイですが、早飲みして来たこれまでとは異なり、今回は収穫から7年と、飲み頃までしっかりと時間を置いてからの試飲となります。
レ・クレイらしい、クリーンで淡麗な佇まいがより際立っていて、軽石や砥石を彷彿とさせる、程よいキレと硬質感を持った軽やかなミネラルが非常に好印象です。よりリッチで濃密なスタイルとなるアン・ビュランと比較すると、レ・クレイは大人し目の表情なのでインパクト勝負では一歩譲りますが、それでもこのクリーンな表情から広がる浸透感、そして淡い色調のシトラスのアクセント、これら良質な素性から発せられる落ち着いた佇まいは、素直に評価できる内容だと言えます。
まだ完全には成長のピークに達していないものの、それでもポテンシャルの上限レンジには十分達しているので、更なる成長や広がり、そして高みを感じような世界観ではなく、むしろ、しばらく歩むと山の向こう側へと続き、そこからなだらかに下っていくような姿が投影される傾向にあります(それでも今後5年以上はずっとピークが続きそうな印象)。もしかすると、もう1〜2年程度早く飲んだ方が、結果としてはより高い満足感が得られたのかもしれませんが、ひとまず、このヴィンテージに思い入れがある人でなければ、無理してまでバックヴィンテージを選ぶ必要はないとも言えるので、基本的には最新ヴィンテージを選ぶ方向で特に問題なさそうです。
(2019/02)