- Very Good Quality -
メルロー主体の構成ながら、2010年と同じように実際の表情はまさにカベルネ主体といった世界観で、コアの堅牢感やヒリヒリした屈強なタンニンを有する、充実感と緻密さを堪能できるポテンシャル系の質実さが非常に印象的です。15%という高いアルコールと豊富なタンニンによるパワフルさが基調になってはいますが、メルローらしい角の取れた豊満さが適度な親しみやすさを構築しているので、そのエネルギー総量に反して必要以上の厳格さを感じさせないよううまくコントロールされています。
熟度の高い葡萄の資質に輪郭の明確なスパイスの風味など、どことなくシラーやグルナッシュのようなローヌ系品種を彷彿とさせる表情が程よいアクセントになっているので、この辺りの資質が一般的なボルドーブレンドワインとの差と言えるかもしれません。メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランというメジャーな国際品種のみを使用しながらも、現実的な価格帯を維持してヴィッラ・フィデリアとしての個性を十分打ち出し、細部までしっかりコントロールしクオリティを発揮しているあたり、さすが毎ヴィンテージ非常に高い評価を受けるワインなだけはあります。
(2018/08、2018/10)