- Very Good Quality -
非常に高い評価を得る2010年のヴィッラ・フィデリアですが、メルロー70%、カベルネ・ソーヴィニヨン20%、カベルネ・フラン10%という国際3品種によるブレンドで造られるものの、抜栓当初の印象としては思いのほかカベルネ系の資質を色濃く感じます。優良ヴィンテージということもあり、微細かつ力のあるタンニンから生み出される良質な質感を兼ね備え、高いアルコール感(15%)とそれらをまとめる樽系要素が印象的です。体躯自体はタイトで軽妙な傾向にありますが、そこに込められたエネルギーは十分なものが感じられます。
現状ではかなり若い状態なので、可能であれば3〜5年ほど様子を見たいところではあります。それでも抜栓後2〜3日経過する頃には、本来のセパージュ比率に即したメルローらしい魅力も出てくるので、それなりに楽しむことは可能です。ただし、ヒリヒリするほどのタンニンが常に全体を支配しているので、ある程度の覚悟は必要かもしれません。ヴィンテージの恩恵を存分に受けた内容で、高い評価に見合う良質な表情を見せてくれるのは確かですが、それでも今飲むということであれば、下のレンジに位置するアッシジの方がより素直にし楽しめそうな印象でもあります。
(2015/03)