- Good Quality -
オーストラリアを代表する世界的なワイナリー「トルブレック」の創業者であり、偉大な醸造家でもある「デヴィッド・パウエル」が、2013年にトルブレックを去った後、息子のカラムとともに立ち上げた新しいプロジェクトがこの「パウエル&サン」。
使用されるシラーズの大部分は、南部バロッサのマラナンガ、セッペルツフィールド、リンドック・ヴァレーの畑で栽培され、醸造はコンクリート発酵槽で個別に行い、4,500リットルのフレンチオークフードルで15ヶ月間熟成されます。リヴァーサイドGMSと同様に、リンドックにあるリヴァーサイド・ヴィントナーズのワイナリーで造られています。
各要素は微細かつ緻密で体躯内部にミッチリと込められ、黒系果実や胡椒、香草系のハーブ風味に、濃密に凝縮された熟度の高い資質が遺憾なく伝わってきます。口当たりがよく、丸みがあるものの一定の弾力があるのはGMSと同様ですが、15%という高アルコールによる迫力がよりストレートに伝わってくるという違いがあるので、こちらの方がより飲み手の体力を必要とする印象を受けます。全体的なパッケージングや構成力など、全体的により洗練された傾向にあり、しっかりとしたポテンシャルを内包している印象でもあります。
今からでもすぐ飲めますが、まだ若いヴィンテージということもあり、抜栓日は各要素がそれぞれ独立して浮遊しているような傾向にあります。とはいえ、翌日に持ち越すぐらいしっかりと時間を与えれば、一体感のある本来の表情が広がるので、現状でもそこまで大きな問題にはならないと思います。理想としては、1〜2年程様子を見てみたいところですが、無理して熟成させる必要はないので、気軽に飲んでも特に問題はなさそうです(造り手の進化を含め、今後のヴィンテージが楽しみ)。
(2018/06)