- Good Quality -
オーストラリアを代表する世界的なワイナリー「トルブレック」の創業者であり、偉大な醸造家でもある「デヴィッド・パウエル」が、2013年にトルブレックを去った後、息子のカラムとともに立ち上げた新しいプロジェクトがこの「パウエル&サン」。
セパージュはグルナッシュ70%、マタロ20%、シラーズ10%。ある種、その造り手のスタイルを知るのにちょうど良い、スタンダードアイテムとも言えるGMSブレンドですが(パウエル&サンでは全生産量の50%を占める3,000ケースがGMS)、果実爆弾的なイメージが色濃いトルブレックとは異なり、より洗練され爽やかな清涼感を有するスタイルとなっています。開栓直後は特にその傾向が強く、ハイトーン系の独特の清涼感が広がるものの、時間とともに落ち着き、徐々に果実本来の甘味と旨味が前面に出てくる傾向にあります。丸みのある豊満なスタイルでありながらも一定の弾力感があり、コアの果実味は凝縮し煌めきのある甘みを打ち出してはいるものの、程よい硬質感と輪郭を持っていることもあり、ダレや緩みに繋がることは一切ありません。アルコール度数が15%と非常に高くなっていますが、実際にはもっと低く感じられ、特に飲みにくいといったこともないので、全体的なパッケージング力の高さやバランス感覚の良さを具に感じ取ることができます(高い醸造技術とセンスが非常に印象的)。
新しい造り手ということもあってか、流通初期らしく価格レンジにかなり幅があるので要注意ですが、仮に現在の価格帯の下限付近で安定入手可能だとすれば、非常に高いコストパフォーマンスを発揮してくれるのは間違いなさそうです。
(2018/06)