- Good Quality -
各要素は程よく熟れているものの、その表情には溌剌としたフレッシュさがあり、どちらかと言うとリリースされてまだ間もないような印象を受けます(コルクもラベルも非常に綺麗)。モダンなスタイルのキャンティ・クラッシコらしく、濃く凝縮した甘みが印象的で、つるんとした質感に乳資質のベールを纏った表層、そして赤系果実のキュートな表情が主体となり、リゼルヴァ的な重厚感や苦味はかなり控えめな傾向にあります。ヴィンテージのスタイルもあるのか、その濃密な甘さとは裏腹に、全体像としてはむしろ軽やかで、2006年のリゼルヴァよりも、2012年のスタンダードクラスに近いスタンスとなっています。
抜栓日はその軽さと甘さがやや端的に強調されていましたが、翌日に持ち越すとそれぞれの要素が綺麗に打ち解け、親近感のある心地よい魅力へと昇華してくれます。やや外向的要素が強めな印象ではありますが、気軽に楽しめる一般層向けのリゼルヴァとしては、ある意味ちょうど良い世界観なのかもしれません。
(2018/03)