- Good Quality -
2013年がファースト・ヴィンテージとなる、ブランカイアが手がける新しいキャンティ・クラッシコですが、今回の2015年はサンジョヴェーゼ100%で造られています。2/3がステンレスタンク、1/3がコンクリートタンクで12ヶ月間の熟成が行われ(2016年11月にボトリング)、親やすさが印象的な早くから飲めるスタイルに仕上がっています。
やや山葡萄っぽい野生的なニュアンスも感じられますが、赤系果実の可愛らしく親やすい表情に、乳資質を感じる丸みや柔らかさがアタックに感じられ、そこからアフターにかけてサンジョヴェーゼらしいタイトさが全体を引き締めてくれます。直前に試飲したフェルシナの同年のキャンティ・クラッシコとは異なり、抜栓直後から素直に楽しめるのが印象的ですが、翌日に持ち越すことでその表情はより質実な方向へと昇華します。サンジョヴェーゼらしい酸や引き締まった骨格がより前面に出る傾向にあり、柔らかい乳資質や熟した果実の甘みは一歩奥へと下がりますが、基本的には万人受けしやすい明快なスタイルは維持されます。
ブランカイアらしいモダンなスタイルのキャンティ・クラッシコ像が構築され、総じて「人の力で造られたスタイルのワイン」ということが具に伝わりますが、それでも不思議なほどにネガティブな印象は全くなく、素直に美味しく飲めてしまう艶やかな佇まいが、独特の魅力と世界観を構築しているように感じられます。
(2018/02)