- Very Good Quality -
レイモン・ユッセグリオを代表する偉大なシャトーヌフ・デュ・パプがこの「キュヴェ・アンペリアル」。多くの葡萄が1901〜1902年に植樹された古木で、その収穫量は非常に低く僅か16〜18hl/haとなります。
細かく美しく織り込まれた多様なハーブやヨードの旨味、それらが凝縮したボディを優しく包み込んでいます。ボディは濃密でパワフルなものではあるものの、豊かな酸や滑らかなテクスチャなども相まって、その重量感は決して重くはなく、むしろ軽やかな側面を内包したエレガントなものとなっています。16ヶ月前に試飲した通常のシャトーヌフ・デュ・パプと比較すると、抜栓直後から滑らかで一体感のある表情が広がる傾向にあり、思った以上の飲み頃感が伝わってきます。ただし、翌日に持ち越してボトルの底の方になってくると、多くの澱を内包していることもあってか、微細なタンニンの厳格さが強調され、ヒリヒリと痺れる高いアルコール感など、少し飲み手との距離が開く傾向にはあるので注意が必要かもしれません(かなり多くの澱があるので扱いにも要注意)。
パーフェクトに近い評価を受ける偉大なワインではありますが、本質的には威厳や偉大さを前面に打ち出すような小難しいスタイルではなく、むしろ真の強さと厳しさの中に優しい物腰を兼ね備えた穏やかなスタイルなので、南仏のワインが持つ多大なポテンシャルを体験するにはちょうど良い立ち位置だとも言えます。とはいえ、リリース直後は現実的な価格帯だったものの、近年はかなり高騰傾向にあるので、市場価格の変化には注意が必要です。
(2017/12)