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ラベルデザイン等の意匠が大きく変わり、以前よりも一気に現代的なスタイルへと変貌しましたが、中身に関してはグルナッシュ80%、ムールヴェードル10%、シラー6%、サンソー2%、クノワーズ2%と、セパージュ比率は以前と変わりはありません。
果実の高い熟度と程よいスパイシーさが印象的で、煮詰めた梅系のニュアンスが感じられます。14.5%という高いアルコール由来の迫力があり、味覚で感じる以上にじわりじわりと体内に浸漬していくので、アルコールに弱い人であればグラス1杯でも十分かもしれません。抜栓日は果実系要素の方が前面に打ち出されているので、そこまで飲みにくいというわけではありませんが、時間とともにアルコール系の圧迫感が増す傾向にあるので、現状では内包するエネルギーをやや持て余しているような印象でもあります。
シャトーヌフ・デュ・パプらしい濃厚さや重厚感は持ち合わせていますが、それでも現代的なワインらしく重量感そのものはほどほどで、むしろスッキリとした感触を活かす方向でうまく仕上げている傾向にあります。もう少し熟成させて落ち着かせたいところではありますが、世界観そのものは明確に構築されているので、十分飲み頃には到達していると思います。
(2016/08)