- Good Quality -
ビオディナミにこだわり、美しい景色が広がるエウガネイ丘陵のテロワールを具現化するのが、1995年にカ・オロロジオのオーナーとなったマリア・ジョイア・ロゼリーニ。ボルドー系品種に着目したレロジオは、カルメネール75%、カベルネ・フラン20%、メルロー5%のブレンド比率で、熟成は新樽比率80%のバリックで12ヶ月間行われます。
カラオーネにも共通する海苔の佃煮のニュアンスに、凝縮した果実のエキスと甘旨味が広がりますが、そこにバニラ等の樽系要素が加わり、カベルネらしい仄かなグリーン系のハーブ風味も溶け込んでいます。フレッシュでピュアな表情を兼ね備えつつも、低重心なボディと程よい堅牢感もあり、今から飲める要素と将来的な要素の折衷型だとも言えそうです。時間とともに各要素が溶け合う傾向にあり、翌日に持ち越すとインキーさや柑橘系のニュアンスを纏うハイトーンな酸、そこにしっかりとしたアルコールを感じる安定した土台と、総じて良好なパッケージングを披露してくれます。まさにカ・オロロジオらしい葡萄の密度感に加え、より上のクラスを感じる造りが施された良質な世界観だと言えます。
(2017/11)