- Good Quality -
ポマール然とした重厚感はほとんどなく、どちらかと言うと流麗でたおやかな表情の方がより印象的です。コアはきゅっと引き締まり、パカレらしい旨味とポマールらしさを感じる黒系果実のニュアンスを有していますが、全体的に小ぶりな傾向にあり、何より資質がやや退廃的で酸が強めに主張しているのが多少気になります。
抜栓日は小ぶり感と酸の主張がより強く、翌日に持ち越すことで本来の良質な表情が表出する傾向にあります。時間の経過とともに世界観が昇華していく傾向にあるのは同年のペリエールと同様ですが、やや控えめのエネルギー感や落ち着いた体躯サイズ、そして退廃的な表情などまでも同様の傾向にあるので、もしかするとこれが2012年のパカレのスタイルなのかもしれません(果実の力が明確な若々しい時点で飲むべき?)。基本的には良質な世界観がベースにありますが、かなり高価なレンジのワインということを考慮すると、価格に見合った内容かどうかという観点としては、やや厳しい印象を受けざるを得ないところではあります。
(2017/10)