- Good Quality -
グラン・クリュの「マジ・シャンベルタン」の東隣にある、プルミエ・クリュのクリマがこの「ラ・ペリエール」。「石切り場」がその名前の由来となっています。
パカレらしいキュッと詰まった赤系果実の旨味と甘みが心地よく、端正で凛とした要素を纏いつつも、全体としては優しくゆったりとした表情になっているのが印象的です。ある意味、ボディが控えめでフィネスを感じると言うクリマのスタイルがそのまま反映されているとも言えますが、それでも全体的にこぢんまりとした印象が強く、その小ぶりなサイズ感はあまりプルミエ・クリュらしくない印象でもあります。また、やや古ぼけた樽や酸のニュアンスが感じられる点も若干気になります。
翌日に持ち越すと一気に求心力が増し、パカレの持つ美点が生かされた魅力ある表情にスポットが当たるようになりますが、それでも果実の魅力に反し、全体的な小ぶり感や想像以上の熟成感など(単なる熟成感ではなく、熟成のペースが通常よりも早く進んだかのような不思議な雰囲気)、内包する弱めの要素もまた健在なので、もしかすると自然派ならではの「ボトル差」が原因なのかもしれません。今回試飲したボトルに限った状態かもしれませんが、それでもコアにある果実の魅力や訴求力は非常に高いので、全ての要素が健全に噛み合った場合はかなり高い満足感が得られそうな印象です。
(2017/10)