- Very Good Quality -
2001年にニュージーランドのマーティンボロでワイナリーを設立。今やニュージーランドを代表するだけでなく、世界基準で非常に高く評価される日本人醸造家「楠田浩之」によるシラーです。
抜栓直後は、カベルネを彷彿とさせるようなグリーンな要素と、ハッと目が醒めるようなスパイシーさが印象的で、力強さや濃密さ、そして硬さがより強調されている傾向にあります。その後、時間とともに表情が熟れ、翌日に持ち越すことで各ピースが少しずつはまりまじめます。現状ではまだ若さが先行するものの、角が丸いので親しみやすく(若干緩め)、赤紫系の熟度の高いどっしりとした果実味が鎮座し、程よいスモーキーさ、そして胡椒やシナモンなどのスパイシーな風味に、しっかりとした酸やメントール等のハイトーンな要素が全体を引き締めます。
酸の主張がやや強めで(甘酸っぱい系)、アフターにかけて口中に軋みが訪れることもあり、人によってはやや飲み難い(まだ飲み頃ではない)と感じるかもしれませんが、ニューワールドらしい豊かな果実味がベースにあるので、現状でもすぐに飲めるだけの状態にはなっています。とは言え、キムラ・セラーズのピノ・ノワールと同じような発展途上感があるので、各要素のエネルギー密度を鑑みると、その表情が完全に開花するのはもう少し先なのかもしれません(後3〜5年ほど待って再度飲んでみたい)。
(2017/09)