- Good Quality -
イタリアを代表する孤高の希少ワイン「ミアーニ」。もはや天才とすら言われるミアーニのオーナー「エンツォ・ポントーニ」が、フリウリ最良の産地ブットリオにある畑ソット・ダ・モンを所有するクロアット家のもと、植樹、栽培、醸造、そのすべてを手掛ける新たなプロジェクトがこの「クロアット」です。
2014年のロッソのセパージュは、メルロー93%にレフォスコとカベルネ・フランが7%。熟成はバリックで20ヶ月間。やや還元傾向にあり、全体的に自然派ワイン的な溌剌とした表情が先行するので、第一印象で判断すると好き嫌いがはっきりと別れそうな印象を受けます。2011年のクラスほどではないものの、仄かな酢酸が感じられ、全体的な軋みと軽快な佇まいも加わり、小梅のような甘酸っぱい表情が主体となっています。抜栓日は全体的に表情が硬い傾向にありますが、翌日に持ち越すと表情が一変。インクを感じる凝縮感に、コアに内包する多量なタンニン、そしてタイトなボディからは想像できないほどのしっかりとした果実味等、生命力溢れる各要素から滋味が滲み出てきます。
あまり一般受けするようなスタイルではないものの、土台となる部分には程よい良質さを感じるので、手軽に楽しめるレンジのクロアットと考えれば、それほど悪い選択肢ではないようにも思います。
(2014/08)