- Good Quality -
イタリアを代表する孤高の希少ワイン「ミアーニ」。もはや天才とすら言われるミアーニのオーナー「エンツォ・ポントーニ」が、フリウリ最良の産地ブットリオにある畑ソット・ダ・モンを所有するクロアット家のもと、植樹、栽培、醸造、そのすべてを手掛ける新たなプロジェクトがこの「クロアット」です。
砂利質土壌の区画クラスを主体としながらも、斜面上部の最上の区画オベリスコのメルローもブレンドされています。結果として、フリウリ・グラーヴェDOCに属するクラスと、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリアDOCに属するオベリスコがブレンドされているので、ワインとしてはより格下のIGTとして出荷されています。
やや酢酸やアンモニア系の揮発香が気になるところですが、ベースにあるメルローの表情が思いのほかクリーンで緻密なこともあってか(このあたりはさすがエンツォ・ポントーニと言えるかも?)、とかくネガティブな要素に転びがちなそれらの要素が、逆に程よいアクセントとなってその表情全体を形作る一員となっています(どこまでが計算かは謎ですが)。飲み手を選ぶ性質がやや強めという印象ではありますが、ある意味結果オーライともいえる内容なので、偉大なミアーニの名と現在の価格帯を考慮すると、この個性と世界観はより前向きに捉えたいところではあります。
(2014/08)