- Good Quality -
ヒトミワイナリーからは数多くのアイテムがリリースされていますが、今回の1本は自社畑で造られる「ドメーヌ・ヒトミ」シリーズになります。ワイン名の「カフカ」は、自然な造りは「可」なのか「不可」なのか、と言う問いかけと、代表作「変身」でお馴染みの作家「フランツ・カフカ」の2つがその由来となっています。
セパージュは滋賀県産のリースリング・リオン。約12時間、果皮の浸漬を行ってから搾汁し、自然発酵、無清澄、無濾過でボトリングされます。生産本数は僅か180本のみ。溌剌とした自然派らしい佇まいが感じられ、一般的なリースリングよりもかなり凝縮感が強く、堅牢性のあるコアに、苦味と仄かな刺激(微発泡感)を持つ、明確な個性を持つスタイルとなっています。色調は濃く、シャルドネのような黄金系で、豊富な澱を内包しているので底に行くほど濁りが増しますが、モノと同様に味や舌触りには大きな変化はないので、見た目を気にしなければ最後まで存分に楽しむことができます。
よりポテンシャルを感じる世界観ではありますが、内包するエネルギーに反して味覚としての要素はやや飲み手を選ぶ傾向にあるので、この表情を「個性」ととるか「癖」ととるかでやや評価が分かれるかもしれません。
(2017/08)