- Good Quality -
1998年に、ジャン・マリー・ギュファンとの共同経営だったヴェルジェから独立したことで始まったリケール独自のドメーヌですが、2013年からは後継者となる「フローラン・ルーヴ」に経営権を含めたワイン造りの全てを譲渡しています。2015年まではリケールの意見も反映されているので、今回のヴィンテージはちょうど移行期と言える状態かもしれません(バトナージュと新樽比率の変更程度で基本的には従来のスタイルが継承されている)。
グラン・クリュの丘の最西端に位置するクリマが「ブーグロ」。他のグラン・クリュよりもやや格下と見られがちですが、その代わり、相対的に早くから楽しめる要素や親近感、さらには小区画ごとの多様性など、また少し異なる特徴を有しています。
リケールらしい端的なクリーンさをベースにしながらも、シャブリらしいミネラル系要素はかなり控えめになっています。樽要素の生木風味がやや目立ち、程々の硬質感はあるものの、コアのある果実味に、ぽってりとした丸みのある体躯内要素が印象的です。基本的な系統はジャン・マルク・ブロカールのブーグロと類似する傾向にありますが、それでも生木っぽい風味がやや気になる傾向にあり、グラン・クリュらしいエネルギーや2014年ヴィンテージの恩恵は感じられるものの、全体的なバランスとしてはややチグハグな印象を受けます。
(2017/08)