- Very Good Quality -
2002年、1974年生まれという新世代の「ファビアン・モロー」が後を継いだことで、新たに生まれ変わったのがこの「クリスチャン・モロー」。
シャブリの象徴とも言える「グラン・クリュの丘」のほぼ中央上部に位置するのがこの「ヴァルミュール」。同じクリスチャン・モローのレ・クロと比較すると、ミネラル系の要素は若干控えめですが、その代わりに、より豊かな果実味、そしてより充実した体躯ボリュームを有している傾向にあります。外郭を豊かなミネラルが引き締め、内部にレモンの風味と豊かな果実感、そしてレ・クロよりも若干強めに感じる樽熟成のニュアンス(酸化熟成要素)、また、やや強めのクエン酸も感じられます。
豊かな土台と果実の力が感じられることもあり、抜栓直後から楽しめ、なおかつ時間とともにどんどん開いていく傾向にあります。抜栓後1〜2時間もすればかなり魅力的な表情が広がりますが、逆に翌日に持ち越すと、ヴァルミュールの持つ本来の強靭なミネラルが一気に展開されるので、やはり本質的にはレ・クロと同様の10年選手だということが具に伝わります。純粋なポテンシャル要素としてはレ・クロにやや分がありそうですが、総合的な判断では、このヴァルミュールはこれまでに試飲したシャブリの中でもトップを争うほどのクオリティだと言えます。
(2017/08)