- Very Good Quality -
2002年、1974年生まれという新世代の「ファビアン・モロー」が後を継いだことで、新たに生まれ変わったのがこの「クリスチャン・モロー」。
シャブリの象徴とも言えるグラン・クリュが「レ・クロ」。そのレ・クロの中でも一際高い名声を得る「クロ・デ・ゾスピス」を所有するのがこの「クリスチャン・モロー」となります。クロ・デ・ゾスピスは単一区画でボトリングされるので、今回の試飲は通常のレ・クロとなりますが、それでも樹齢が40〜65年とクロ・デ・ゾスピスよりも高いこともあってか、その名に相応しいだけのポテンシャルを存分に披露してくれます。
同じレ・クロでも、直前に試飲したジェラール・デュプレシのレ・クロとは全く表情が異なり、非常に強くタイトに引き締まるミネラルが主体となった、ポテンシャル系要素が重視されたスタイルとなっています。口中が強く引き締まり、硬質感の中に充足感ある果実味や、レモン系のシトラス風味が伝わりますが、構成要素そのものは比較的シンプルなものの、その屈強さ、緻密さ、そして内包するエネルギーは通常のシャブリとは一線を画す水準で、かなりの長命さが期待できる世界観となっています。
現状では表情の硬さがやや先行する傾向にあり、特に抜栓日は飲みにくさやとっつきにくさからそれなりの距離感が伝わってきます。翌日に持ち越すと、表情が多少解れて本来のポテンシャル、その一端を垣間見れるようになるので、現状ではしっかりと時間をかけて向き合うことをお勧めします。可能であれば、後5年、そして10年と、より長い目で向き合っていきたいところでもあります。
(2017/08)