- Very Good Quality -
14ヴィンテージぶりとなるカーセ・ヴィアのシラーですが、以前の内容とは比較にならないほど大幅に進化しているのが印象的で、現代基準に従った高いクオリティを発揮してくれます。
アタックにはチョコなどの樽要素が感じられ、その仕立ては良質なカリフォルニアのボルドースタイルを彷彿とさせるものがあります。オーガニックということもあってか、純粋に葡萄の熟度が非常に高く、その濃密さと15%という高アルコールによって、向き合うにはそれ相応の体力を必要とするスタイルとなっています。とはいえ、イタリアらしい酸が体躯中央にしっかりと感じられ、現代的な醸造スタイルによって重量感はかなり軽減されているので、重苦しさや鈍重さは一切感じられません(むしろ軽快で綺麗な立ち振る舞い)。
紐解くと実際はかなりタニックで、葡萄そのもののエネルギーをしっかりと内包している系譜ということもあり、今から飲めるとはいえ、その実、ポテンシャルはかなり高いといえそうです。若干、シラーという品種の個性を覆い隠す傾向にはありますが、時間をかけて向き合える懐の広さと、トスカーナという土地に置けるシラーの可能性を感じさせる内容なのは確かなので、この価格帯のワインの購入に抵抗がない人にはお薦めできそうです。
(2017/07)