- Good Quality -
日本語の「待つ」がドメーヌ名の由来。「わんぱく小僧」と名付けられたこのキュヴェは、マツの中ではもっとも手軽なレンジのワインとなります。ポジションはは日常レンジに位置していますが、栽培はビオディナミ、使用する葡萄は樹齢70〜80年のティンタ・デ・トロ100%と、非常に高いこだわりのもとに造られています。
色調は濃く、高いアルコール(14.5%)としっかりとしたタンニンに裏打ちされた、しっかりとした酒質が土台に存在していますが、表層はいたって軽快で瑞々しく、メントール系の清涼感と仄かな乳酸の風味によって気軽に飲み進めることができます。アタックの親近感と、アフターのスパイシーさやタニックな資質の対比が印象的で、以前試飲した2008年と比較すると、全体を通して根本的な葡萄力がかなり増加し、より高い訴求力を生み出している傾向にあります(しっかりとした成長と進化の足跡が感じられる)。価格を考えると、かなり高いコストパフォーマンスを誇るとも言え(1.5倍以上の価格帯とも勝負可能)、個性溢れるアーティスティックなラベルも面白いので、日常で楽しめる現実的なトロのワインとして、非常に有用なポジションに位置していると言えそうです。
(2017/05)