- Good Quality -
モンタルチーノの南部の丘に18世紀前半からあるエリアで造られるブルネッロで、1973年にチンザノ伯爵家が購入後、世間の名声を得るに至ったようです。
偉大なヴィンテージとして世間を一躍賑わせた2010年ですが、ヴィンテージの恩恵が感じられる瞬間もあるものの、前年の2009年と同じような「飲みやすさ」と「不思議な熟成感」がベースとなっているのがやや気になります。
アルコールの高さを感じるような、ややツンとした香りが漂いますが(アルコール表記は14.5%)、実際に口にすると、思いのほか優しく滑らかな表情が漂ってきます。ピリッとした苦味と収斂するドライなタンニンは感じられますが、不思議と一切骨格が感じられず、柔らかく緩やかなボディが全体を優しく包んでおり、オレンジのニュアンスを持った熟れた果実に不思議な熟成感が漂います。
偉大なヴィンテージのブルネッロを嗜みたいという場面には不向きですが、親近感を持って今から楽しめるブルネッロという特徴があるので、このスタイルを前向きに捉えれば、相応の満足感は得られる印象でもあります。
(2017/05)