- Good Quality -
以前、リリース直後に試飲した時は、ピアン・デル・チャンポロほどではないものの、思いのほか果実の甘味が前面に出ている傾向にありましたが、数年の熟成を経た現在においては、多少なりともその表情には変化が生じています。抜栓直後は、従来の印象に近い熟した果実味も感じられましたが、時間とともに少しずつサンジョヴェーゼらしい陰な資質が前面に出始めます。主体となるのはやはり酸。根元は太めですが、こから細く立ち上り、サンジョヴェーゼらしい引き締まった表情を程よく生み出しています。ビターチョコなど、やや苦味を感じる要素が強い傾向にあり、また、表層のごわつきがやや気になるところではありますが、全体的にはそつなく仕上げてきている印象でもあります。
やや小ぶりな仕上がりではあるものの、モンテヴェルティーネの場合はトップキュヴェの「ペルゴレ・トルテ」よりも気軽に飲めるというメリットがあるので、ひとつの選択肢として考えると、一定の訴求力を持っているとも言えそうです。
(2017/04)