- Good Quality -
2000年がファースト・ヴィンテージとなるスオーロ。樹齢40年以上となるヴィニョーネ・ヴィンヤードと、樹齢15年以上となるオリヴィエラ・ヴィンヤードのサンジョヴェーゼ・グロッソのブレンドで造られ、ある意味においては、アルジャーノにおける究極のサンジョヴェーゼワイン(ネオ・トラディショナル)とも言えます。
スオーロといえば、タンニンが強固で飲み頃を迎えるまで時間がかかるというイメージですが、以前試飲した2004年と比較すると、多少なりとも軽減されてきているような印象を受けます。確かにサンジョヴェーゼらしからぬタンニンが主体となる傾向にあり、樽を効かせすぎたような苦味が支配している傾向にはありますが、熟成によって果実そのものが橙系のニュアンスを伴う熟れた表情へと変化しているので、2004年と比較すると大幅に向き合いやすくなっています(色調もエッジはやや琥珀がかってきている)。
その強固なタンニンとは裏腹に、ボディの柔らかい質感や表情として垣間見られるスパイシーさなど、サンジョヴェーゼ100%というよりは、どことなくメルローやシラーのような補助品種がある程度ブレンドされているような印象を受けます。兼ね備えた良質さはしっかりと伝わってくるものの、体躯と果実のエネルギーベースの差からくるバランス面の不足感などもあり、どうしても「あと一歩何かが物足りない」といった印象でもあるので、1万円レンジのワインということを考慮すると、もう一歩はっきりとした飛躍を望みたいところではあります。
(2017/04)