- Good Quality -
2000年がファースト・ヴィンテージとなるスオーロ。樹齢40年以上となるヴィニョーネ・ヴィンヤードと、樹齢15年以上となるオリヴィエラ・ヴィンヤードのサンジョヴェーゼ・グロッソのブレンドで造られ、ある意味においては、アルジャーノにおける究極のサンジョヴェーゼワイン(ネオ・トラディショナル)とも言えます。生産量は非常に少なく、2004年ヴィンテージはスタンダードボトルで2,763本、マグナムボトルが61本のみとなっています。
体躯そのものはタイトで、果実的なボリュームを感じるスタイルではありません。それでいて、樽要素と結合したドライで収斂する乾いたタンニンが口中に強い渇きを呼び込むので、わかりやすいようなスタイルを期待していると肩透かしを食らうかもしれません。現状でも十分飲むことは可能で、決して近寄りがたいような雰囲気を醸し出しているわけではありませんが、10年経過した現時点でこの状態だとすると、全体的なバランスを重視した場合はまだ後5年程度は熟成させたほうが無難な印象でもあります。
抜栓日はタンニン主体の性質が気になりますが、翌日に持ち越すとしっかりと昇華し、その本質が徐々に露わになります。同年のオレーノ、サッシカイアほどではありませんが、仄かにヨードの風味も感じられ、緻密な資質と相まって相応の魅力が構築されていきます。基本的にはかなりタニックで、あくまでもサンジョヴェーゼ系のタイトなスタイルがベースになっているということもあり、やや気難しい傾向にあるのが少し気になるところではあります。単体で飲んだ場合、ポテンシャルは明確に感じるものの素直に楽しめるとは限らないので、無理せず食事と合わせた方が無難だと思います。
(2014/11)