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アンリ・リュルトンが所有する格付け第二級シャトーが「ブラーヌ・カントナック」。80年代前半までの不調の影響もあり、全体的に価格は控えめな傾向にありますが、近年の復調と優れたヴィンテージの恩恵もあってか、2009年はやや価格が高騰傾向にあります。
以前試飲した2008年は少し飲み頃よりも早い印象でしたが、今回の2009年は素晴らしいヴィンテージというだけでなく、より早飲みができるスタイルということもあり、現時点で既に過不足なく楽しめる状態になっています。しっかり熟したタンニンは甘みを感じるほどでもあり、甘草系のハーブ風味や、体躯そのものの充足感と適度な密度感、それらが上質のボルドー像をバランスよく構築しています。メルロー系の豊満さが、より気軽に飲める魅力へと繋がっていることもあり、筋骨隆々なスタイルのボルドーを望む人向けではないものの、より素直に楽しめる良質な世界観でもあるので、より幅広い層に訴求しそうなスタイルに仕上がっているとも言えそうです。
(2017/03)