- Good Quality -
アンリ・リュルトンが所有する格付け第二級シャトーが「ブラーヌ・カントナック」。80年代前半までの不調の影響もあってか、第二級としては価格が控えめな傾向にありますが、実際には良質な2008年というヴィンテージの恩恵をしっかり受けた、十二分に納得いく仕上がりとなっています。
タンニンレベルを基準に考えると、まだ後1〜2年熟成させた方が良好な傾向にありそうですが、現代的な造りをベースとしたバランスの良さと、体躯中央の仄柔からい資質によって、抜栓直後からそのポテンシャルをしっかりと受け止めることができます。当初はややメルローの豊満さ、柔からさ、その口当たりの良さの方がより印象的でしたが、時間とともに徐々にカベルネ・ソーヴィニヨンらしい厳格さにスポットが当たる傾向にあります。まさに、これぞボルドーとも言えるしっかりとした堅牢性のある表情が楽しめるので、2009年や2010年といった、まだ飲む対象にはなりにくいヴィンテージとは対象的に、適切な価格でなおかつ十分なポテンシャルを感じることができる、非常に有用性が高い1本だと言えそうです。
(2015/10)