- Very Good Quality -
土着品種の「テロルデゴ」が持つ高いポテンシャルを世に知らしめたワインがこの「グラナート」。品種の個性を活かす方向でナチュラルな仕上がりとなっているモレイとは異なり、グラナートはより濃密でエネルギー密度を感じるスタイルになっています。
基本的な指向性としては、テロルデゴらしい野いちごやザクロのような甘酸っぱいキュートな果実味ですが、収量制限によって葡萄のポテンシャルを引き出すよう仕立てられていることもあり、より低重心で濃縮感が具に伝わる世界観なのが非常に印象的です。現状ではまだ若く硬い傾向にあり、口中のドライな渇きがやや気になりますが、抜栓翌日、さらには3日目になると、軋みが徐々に軽減され、さらには当初は垣間見れなかった「梅系の旨味」がじわじわと表出し始めます(非常に魅力的)。
抜栓直後の印象だけで評価すると、危うく過小評価してしまいそうな危険もありますが(モレイもある意味同じような性質)、少なくとも、兼ね備えたポテンシャルが完全に開花するには、まだまだ多くの時間が必要な傾向にあります。とは言え、現状でも飲み手が時間をかけて潜在能力をうまく引き出せば、非常に高い満足感を得ることは可能なので、テロルデゴという品種の持つ可能性をぜひ実感してもらいたいところです。
(2017/02)