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今や世界的にも非常に有名な日本酒となった「獺祭」。その獺祭をベースに、瓶内二次発酵で造る本格的なスパークリング日本酒がこの「獺祭スパークリング」。通常の獺祭と同様に、精米歩合によって「23」「39」「50」の3種類のラインが用意されていますが、今回の1本は精米歩合39%の「磨き三割九分スパークリング」となります。
近年勢いが増しているスパークリング日本酒ですが、その多くは5%程度の低アルコールに抑え、一般層向けに訴求する「飲みやすさ」を追求したものとなっていますが、獺祭スパークリングについては完全なる「日本酒」+「泡」という超本格仕様になっています。最大の差異は「アルコール度数」で、スパークリング50よりは低く抑えられているものの、それでも「14度」と高アルコールになっているのでやや注意が必要です。
今回試飲したボトルは720mlなのでプラのスクリューキャップですが、ボトル差があるのか、スパークリング50と違ってそこまで硬くはなく、一般的なシャンパーニュと同じような感覚で開栓することができました。ただし、吹きやすい事に変わりはないと思うので、注意深く落ち着いてゆっくり抜栓するのが無難だと思います。なお、360mlや180mlのボトルの場合は、逆に素早く抜栓する必要があるので十分気をつけましょう。
上澄みはスパークリング50よりもクリアで透明度が高く、クッキリとした輪郭を持つ淡麗な表情が印象的ですが、澱を含めてとにかくバランス感覚が良好なので、個人的には澱を混ぜた状態で飲む事をお勧めします。全体を通してフルーツ感よりも穀物系の持つ甘味、つまり米由来の風味が心地よく、より洗練された外郭と内部要素の一体感が印象的で、優しく抑えられたアルコール感も相まって、非常に口当たりが良くスムースに飲み進めることができます。概要としてはスパークリング50と同様の世界観ですが、不思議と受ける印象はかなり異なり、一段上の資質、構成力、そしてそこから発せられる訴求力と説得力は、素直に納得できる水準のパッケージングだと言えます(よりワインに近い感覚で美味しく飲める)。
(2017/01)