- Good Quality -
今や世界的にも非常に有名な日本酒となった「獺祭」。その獺祭をベースに、瓶内二次発酵で造る本格的なスパークリング日本酒がこの「獺祭スパークリング」。通常の獺祭と同様に、精米歩合によって「23」「39」「50」の3種類のラインが用意されていますが、今回の1本は精米歩合50%の「発泡にごり酒スパークリング50」となります。
近年勢いが増しているスパークリング日本酒ですが、その多くは5%程度の低アルコールに抑え、一般層向けに訴求する「飲みやすさ」を追求したものとなっていますが、獺祭スパークリングについては完全なる「日本酒」+「泡」という超本格仕様になっています。最大の差異は「アルコール度数」で、通常の日本酒と同様の「15度」になっているので、その口当たりの良さにつられて勢いよく一気に飲んでしまわないよう注意が必要です。
720mlボトルの場合はプラのスクリューキャップとなっていますが、スクリューと言っても回して開栓するタイプではなく、コルクと同様に引っ張り抜く必要があるので、慣れていないと噴きこぼれる可能性があります(勢いよく開けてしまうと吹く可能性大)。コルク栓による一般的なスパークリングよりもかなり硬いので腕力を必要としますが、内部のガスを逃がすようにしてゆっくりと開栓すれば、噴きこぼれることは特にないので落ち着いて対応することをお勧めします(吹く気配があれば素早く再栓しましょう)。なお、逆に360mlや180mlのボトルは素早く抜栓する必要があるので要注意。
一般的なスパークリング日本酒と同様ににごり酒になっていますが、内部の澱を開栓前に混ぜて飲むか、混ぜずに上澄みを飲むかは飲み手に委ねられています。上澄みはよりシャープで輪郭が強調され、余韻に日本酒らしいキレのある風味が楽しめます。逆に澱を混ぜた場合は、桃を感じるフルーティな甘味と豊かなボディがより強調され、口当たりもよりまろやかになるので飲みやすくなる傾向にあります。
入手難と扱いづらさが難点ですが、スパークリング50は価格が手頃なので、獺祭スパークリングの世界を嗜む最初の一歩としてはちょうど良いスタンスだと言えそうです。
(2017/01)