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最初の単一クリュ・キャンティと言えば、1982年にアマが「ヴィニェート・ベッラヴィスタ」を、1983年にフェルシナが「ランチャ」を、そして1985年にフォントディが「ヴィーニャ・デル・ソルボ」を造ったことがあげられます。これらはその後の「クリュ指向」という流れを作ったワイン達であり、まさに「単一畑によるキャンティ・クラッシコの礎」を築いたワイン達だとも言えます。
今回の1本は蔵出しバックヴィンテージということもあり、ボトルコンディションはいたって良好でした。樽系要素が主体となったスタイルではあるものの、10年近い熟成を経たことで全体像としての一体感があり、リゼルヴァらしい苦味も熟れ大人しくなっている傾向にあります。内包するエネルギーそのものはいたって現実的で、サンジョヴェーゼらしい背筋の張りや硬質感がなく、やや軟質な体躯なのが気になるところではありますが、状態の良さや、ポジティブな熟成を経ているという事実、そして最新ヴィンテージと比較して高すぎない価格、これらの点を鑑みると、トータルパッケージとしては十分お薦めできる水準にあると言えそうです。
(2016/12)