- Good Quality -
単一クリュのキャンティ・クラッシコとなる「ヴィーニャ・デル・ソルボ」は、最良区画のサンジョヴェーゼをベースに、少量のカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドして造られます。熟成にはアリエとトロンセ産のバリックが使用され、期間は24ヶ月間となっています。
良年の2004年らしくバランスよく纏まった傾向にありますが、味覚で普通に楽しめるスタイルのランチャとは異なり、このソルボはサンジョヴェーゼらしい酸が基調となった「良きキャンティ・クラッシコ像」がベースに感じられます。方向性は異なるものの、それでも共通する部分が多々あり、人の手で洗練されたような小綺麗な質感や、奥の方で仄かに感じる柑橘的な橙要素、そしてあっけらかんとするほすぽっと型にハマる整った風体など、同じヴィンテージのワインということが明確に理解できる面白い連帯感がそこに存在します。
高い評価を受けるヴィンテージの表情や恩恵を感じる反面、突き抜けるようなエネルギー感や迫り来る迫力に欠ける印象もあるので(難のない優等生タイプ?)、ランチャと同じように、高い点数評価を期待して挑むとガッカリしてしまうかもしれません。個人的には好みのスタイルだったりしますが、それでも純粋に味覚で楽しむ側面としては「小気味よい美味しさ」が感じられる、いかにもキャンティらしい世界観だったりするので、クラスを大きく超えた現在の価格帯を考えると、正直なところあまり積極的にお薦めすることができません。あくまでも「キャンティ・クラッシコがかなり好き」で、なおかつ「懐に余裕がある」という人向けのアイテムだと言えます。
(2009/02)