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ローマ帝国の時代にまで遡る歴史を持ち、コンドリューの中でも最良の区画と呼ばれるのが「コトー・ド・シェリー」。所有者は3人いますが、実際にシェリーの名前でワインをリリースしているのはアンドレ・ペレのみとなります。
ヴィオニエらしいトロピカルな果実味としっかりとしたアルコールを感じますが、全体としては優美で纏まり感と構成力が印象的な仕上がりとなっています。イヴ・キュイユロンのプティット・コートのようなエネルギーに満ち溢れたタイプとは異なり、指向性としてはエレガントな系譜にありますが、白い花を感じるフラワリーさ、オイリーな質感、ナッティなニュアンス、仄かなグリーン系要素を感じるハーブ風味など、主張はそれほど強くないものの、より多様な表情で構成されている傾向にあります。相対的にやや大人しめな印象もありますが、端的にパワーに頼らず、より品位ある世界観を構築するというのも、興味深い切り口と言えるのかもしれません。
(2016/11)