- Very Good Quality -
ジャクソンにとって最も重要なのは「700番シリーズ」ですが、テロワールの個性が明確に反映されたヴィンテージであり、なおかつ、700番シリーズのクオリティを下げることがないと判断された時のみ、単一ヴィンテージのシングル・ヴィンヤードとなる「リュー・ディ」が造られます。リュー・ディには4種類あり、それぞれブラン・ド・ブランの「コルヌ・ボートレイ」と「シャン・カン」、ブラン・ド・ノワールの「ヴォーゼル・テルム」、ロゼの「テール・ルージュ」と、それぞれが異なる個性を持っています。
ボランジェ、アラヤ、ゴッセなどの大手メゾンが本拠地とし、ランスやエペルネなどと同様にシャンパーニュにとって非常に重要な、秀逸なピノ・ノワールを生み出す産地「アイ」。石灰質を多く含んだ沖積土壌の「ヴォーゼル・テルム」は南向き急斜面の中腹にあり、僅か0.3haに2,500本の葡萄が植えられているだけなので、生産本数はジャクソンの中で最も少なく、ブティユ2,296本、マグナム200本と、非常に希少な存在となります。
ブルゴーニュタイプの大振りなグラスでの試飲となりましたが、ワインの持つポテンシャルをしっかり受け止めてくれている印象があり、塊感のある香り、群を抜く充実感、優しいハニー風味、そこから広がる余韻など、非常に印象的な世界観を披露してくれます。グラスとのマッチングもあるのか、ピノ・ノワールで造られるブラン・ド・ノワールでありながらも、ブラン・ド・ブランのシャン・カンやコルヌ・ボートレイよりもミネラル豊富で、より明確な硬質感を覚えるのが不思議なところでもあります。
※今回は現地ドメーヌでの試飲となっています
(2015/05)