- Good Quality -
2001年にニュージーランドのマーティンボロでワイナリーを設立。今やニュージーランドを代表するだけでなく、世界基準で非常に高く評価される日本人醸造家「楠田浩之」によるシラーです。
2010年の緩みのある柔らかい資質と比較すると、よりポジティブな方向性での柔らかさへと綺麗に昇華しています。世界観はあくまでも同一線上にありますが、求心力の向上によって特有の儚さがほとんど感じられなくなっています。一般的なシラーのワインとは異なり、スパイス系の要素はほとんど感じられず、かなり滑らかかつたおやかで、仄かに甘旨味やヨードの風味が漂うのが特徴です。
このシラーについては、ニュージーランドの日本人生産者ではかなり珍しい「自社畑(2006年4月に購入)」で造られるということもあり(他で自社畑なのは岡田さんが手がけるフォリウムぐらい)、今後ヴィンテージを重ねることで更に進化と成長を遂げてくれると思います。実際、最新ヴィンテージでは世界規模でかなり高い評価を得ているので、ますます入手困難なアイテムになりそうです(ファーストクラス採用等が原因で元々の市場流通量が少ない)。それとともに、価格の高騰傾向がかなりの難点ですが、生産本数が極めて少なく、需要が供給を大幅に上回っている以上は仕方がないことなのかもしれません。
(2016/10)