- Very Good Quality -
造り手の「ロベルト・ヴォエルツィオ」は、1985年創設となる新世代の醸造家でもあります。クオリティ重視の少量生産故に「超高価」&「入手困難」という傾向にありますが、世の評価は非常に高く、一度は飲んでみたい造り手だと言えます。
ヴォエルツィオらしい超重厚密度と堅牢資質は、難しかった2013年であってもしっかりと維持されています。とはいえ、その重厚系資質に相反するような軽快さがあり、前年と比較するとコアそのものは若干希薄な傾向にあります。十分なポテンシャルと果実味を持っていてなお、最終的な訴求力としては一歩及ばずといった印象ではありますが、難しいヴィンテージとしてはむしろよく纏まっているとも言えるので、この辺りはヴォエルツィオのワインに対して何を求めているかによって最終的な評価が多少変わってくるかもしれません。
非常に濃密で、仄かにダスティーなタンニン、インキーな資質が感じられ、高アルコールによる迫力など、一般的なドルチェットを遥かに超えたポテンシャルを持っているので、価格帯を考慮すると圧倒的な世界観なのに違いはなく、未経験であればぜひ一度は試すべき水準にあるドルチェットだとはいえます。ただし、2013年特有の陰な資質、やや硬質で素っ気ない表情などは、理解するのが少し難しい傾向にあるので、まずは2012年を先に試すことをお勧めします。
(2016/10)