- Good Quality -
シャブリを代表する偉大な生産者といえば「ヴァンサン・ドーヴィサ」が有名ですが、「セバスチャン・ドーヴィサ」とは、ともに先代が従兄弟同士という間柄で、こちらのセバスチャンは、基本的には樽を使わずタンク主体で造るため、そのスタイルはヴァンサンとは異なるものとなっています。ただし、樹齢約60年のグラン・クリュ「レ・プルーズ」については、タンクではなく樽が使用されています。
「石ころだらけの道」という意味となる「ピエルーズ」が、時とともに変化し「プルーズ」になったとされますが、シャブリのグラン・クリュの中ではやや格下とされるクリマで、相対的に軽快で飲み頃も早めに訪れると言われています。
同じヴィンテージのヴァイヨンと比較すると、色調がより濃く、体躯の厚み、一層のボリューム感が感じられます。しっかりとした酸も印象的で、レモン系の風味にミネラル系の苦味、そして酸化熟成系の風味が仄かに後味に残ります。ヴァイヨンにも似た樽系要素が感じられますが、目立った主張はないので、全体的にはうまく馴染んでいる傾向にあります。あえて焼きが強い樽を使うのが特徴ですが、樽由来のトースト風味は全く気にならないので、セバスチャンが言う「シャブリのミネラル感を表現するには焼きが強い方が良い(焼きが浅いと逆にバターっぽくなる)」というのも、あながち間違ってはいなのかもしれません。
(2016/08)