- Good Quality -
シャブリを代表する偉大な生産者といえば「ヴァンサン・ドーヴィサ」が有名ですが、「セバスチャン・ドーヴィサ」とは、ともに先代が従兄弟同士という間柄で、こちらのセバスチャンは、基本的には樽を使わずタンク主体で造るため、そのスタイルはヴァンサンとは異なるものとなっています。
実際の造りの差とは裏腹に、樽系要素的な不思議な表情が感じられ、特に抜栓日は柔らかくぽってりとした表情が色濃く、ミネラル系のシャープさもあまり感じられません。しかし、翌日に持ち越すと指向性が反転し、ミネラル系の苦味が徐々に露わになり、仄かな桃系の風味と適度なシャープさが印象的なスタイルへと変化します。もう少し体躯そのものの充足感が欲しいところではありますが、価格を考えると十分なクオリティは発揮してくれていると言えそうです。
小樽を使うヴァンサンのヴァイヨンの方が、より硬質感やミネラル要素を色濃く感じる傾向にありますが、もうひとつのドーヴィサとして、セバスチャンが手がけるヴァイヨンについても面白い1本になりそうです。
(2016/08)