- Good Quality -
日本人の栗山朋子と、パートナーであり、またシモン・ビーズの醸造長を務めるギョーム・ボットによる新たなネゴシアンがこの「シャントレーヴ」。2010年に始まったばかりですが、既に様々なところで注目を集める期待の造り手でもあります。
2013年までは基本的に「除梗」で造られていましたが、2014年からは「100%全房発酵」に切り替わっているので、2013年との違いが非常に興味深いところではあります。基本的には前年同様「酸」を主体としたスタイルですが、体躯そのもののボリューム感や厚みを感じることもあって、相対的には酸が前面に出ることはあまりありません。全房らしい複雑味やタンニンを明確に感じるわけではなく、むしろ醸造過程で発生したと思われるオフフレーバー(酢酸系)が若干気になる瞬間もありますが、ただ、全体に流れる自然派的な佇まい、そしてオフフレーバー自体も程よいアクセント程度にとどまっていることもあり、全体としては特にネガティブな印象は受けません。
もしかすると、ワインそのものの構成要素や分析的な観点からの総評としては、2013年にやや分があるかもしれませんが、ワインが持つ本来の意味、また、飲み手の心象も含め、その本質を重視した場合はこちらの2014年に分があるとも言えそうです。
(2016/08)