- Good Quality -
カヴァッレーリは多くのフランチャコルタを手掛けていますが、今回の1本は、5気圧以下のブラン・ド・ブランで造られる「サテン」の「ノン・ドゼ(デゴルジュマンの際に門出のリキュールを一切追加しない)」という珍しいキュヴェになります。近年、フランチャコルタではドザージュを行わないキュヴェの評価が上昇中ということもあり、色々な生産者から純粋な葡萄の持つ甘味のみで形作るタイプが増え始めている傾向にあります。
以前試飲した2008年のパス・ドゼほどの圧倒感はありませんが、それでも非常に綺麗に纏まり、そつなく仕上がっている印象を受けます。泡はサテンとしてはやや粗めな印象も受けますが、心地よいイースト風味とドライで引き締まった体軀に、シャンパーニュとは一味異なる「ベースとなる果実味の充実感からくる甘み」が加味され、飲み口も概ね良好です。ノン・ドゼとはいえ、決してドライすぎないところが大きな特徴で、アタックの引き締まりに反して、余韻にかけて果実そのものの程良い甘みが広がるのが興味深い点でもあります。
(2016/03)